ロッキーマウンテニア鉄道 体験記 2015年夏

 The Rocky Mountaineer / ロッキーマウンテニア号の中でも人気が高いバンフからバンクーバーへ向かう1泊2日の旅に、「シルバーリーフクラス」で参加。 世界中の鉄道ファンが憧れる豪華列車の旅は、雄大なカナダ西部の大自然を目の当たりに過ごす、とても優雅で贅沢な時間でした。


>>>>>>> 1日目: バンフ ⇒ カムループス <<<<<<<


6:55 - 7:25 am
 バンフのRocky Mountaineer(RM)鉄道カウンターにてチェックイン。 カウンターは小さ目ですが、赤い絨毯が敷かれていて豪華な雰囲気。 今年は25周年で各乗客にピンバッジが配られました。(ラッキー♪) チックイン時には預け荷物の確認が行われ、必要な場合はタグを受け取ります。 カウンター横にはコーヒーカウンターがあり、乗車を待つ間自由に利用できました。

7:40 - 7:50 am
 乗車開始。 着席後は客席係から案内があり、朝はウェルカムドリンクのジュースが配られみんな一斉に乾杯。 駅のスタッフに見送られ、いざ出発。 ちなみに乗客はシニア世代が目立ち、私たちを見る目が孫を見ているかのようで、みんなやさしく話しかけてくれました。 空席がいくつかあるのはレイクルイーズからも乗車する人がいるかららしく、それまでだったら自由に動いていいとのこと。 足元は広々、足置きと枕もあり快適。 ブランケットも貸してくれ、窓が曇るとスタッフがすぐに来て拭いてくれます。 さすが豪華列車! 至れり尽くせりです。

 ただ、座席にコンセントは完備されていますが、インターネットを使える環境はありません。 インターネットより、旅行中は景色や人との交流を楽しみましょう、というメッセージとして受け取ってもらえれば、とのことでした。

 出発しておよそ30分。 バンフ周辺の山々の説明を聴いていると、朝食の用意が始まり、最初にフルーツとパンが配られました。

8:40 am 
 出発から約1時間でレイクルイーズに到着。 ここでまた何人かを乗せ再び列車が動き出すと、待っていたかのように勇壮なロッキーの山の間から朝陽がパッと射し込み始めました! 映画のワンシーンのような景観に見とれていると、メインの朝食がテーブルに。 メニューはフルーツパフェか普通の朝食セットから選択できます。


 次々に変わる車窓の風景に合わせ、各ポイントで山の名前や由来、歴史についての案内がアナウンスされます。 英語が子守唄のように聴こえますが、予め手元に置いておいた日本語パンフレットを見ながらだと、なんとなく理解できるような気になれます。(笑)

11:15 am 
 飲み物(お酒)のサーブがスタート。 ソフトドリンクも含めお酒の種類は一通り揃っていて、頼めばなんでも作ってくれそうでした。 私はジントニックをオーダー。 お酒と一緒にライスクラッカー、ナッツ、ドライフルーツなどのスナック類もサービスしてくれます。

 列車の心地よい揺れに時折瞼が重くなりかけますが、絶えず名所案内のアナウンスと飲み物サービスが来てくれるので、眠っている暇がない! 車内サービスを担当するスタッフはみなフレンドリーで、乗客ひとりひとりに話しかけていってくれます。

1:30 pm 
 そして、あっという間にランチの時間。 最初はパンとサラダ。 ドレッシングは、バルサミコ酢かマスタードから選択。 バルサミコ酢ソースがおいしかったとどこかに書いてあったので頼むと、なるほどとてもおいしかった! それから30分後くらいにメインがサーブ。 今回のメニューはチキンかポーク。 メニューの内容はその時々で変わるそうです。 そしてデザートにチーズケーキ。 時間的には3時のおやつだけど、すでにお腹はいっぱい。 半分無理やり押し込み気味。 考えてみれば、ただ座ってスナックをポリポリ、お酒をチョビチョビやっているだけなので、お腹がへるわけがなーいのです。 

 夕方線路沿いで草を食むブラックベアを発見! そしてカムループスに近づくと、部屋のカギと街の地図が配られます。

5:30 pm 
 カムループス到着。 列車のすぐ隣に待機しているバスに乗り込み、15分くらいでホテルに到着。 私たちが宿泊したのはThompson Inn。 到着ロビーにはRMのスタッフが待機していて、部屋に入る前に明日の出発時間などについて確認がありました。 部屋にはチョコレートが用意されていて、細かい気配りを感じます。 ホテルはダウンタウン内にあるので、もしお腹がへっていれば、周囲にのレストランやパブで食事もできます。 ちなみに日本食レストランもありました。


 >>>>>>> 2日目: カムループス ⇒ バンクーバー <<<<<<<


7:00 am 
 ホテルロビー集合。 あいにくのくもり空。 ジャスパーからバンクーバーに向かう乗客も集まっていて、RM号の旅行者でごった返していました。 ジャスパーから来た人たちの方がより年齢層が高かったかも・・・。

7:30 am
 バンクーバーに向け出発。 カムループスで下車する人もいたようで、空席がちらほら。

9:00 am 
 今朝はクランベリージュースが配られ、昨日同様今日一日の旅の前途を祝ってまず乾杯。 30分後、朝食のサーブ。 メニューも昨日同様、最初はフルーツとスコーン。 のんびり優雅に朝食を楽しんでいると、「右手にビッグホーンシープ!!」と叫ぶ声。 右手をみると、線路わきの斜面で山羊の群れが列車を見ながら朝食中。 敬意を表し、みんなで拍手。

10:00 am
  昨日の経験から今日は食べ過ぎないようにと、朝食はフルーツパフェを頼もうと決めていたのに、直前にやっぱりせっかくだからと朝食セットに心変わり。 運ばれてきたのはオムレツとソーセージ。 また朝から食べ過ぎ状態♪

 車窓からは、ビッグホーンシープの他に、ブラックテールディア(鹿)やハクトウワシなどを見ることができました。 ワシや70年近く存在するというオスプレーの巣もあり、その都度アナウンスが入り説明してくれます。 その度にみんな窓にへばりつき、カメラでバシャバシャ。


 ロッキーの雄大な景観から今日は大陸的な乾いた風景の中、大きな川沿いをクネクネと列車は進みます。 ハクトウワシは至るところで見ることができました。 ゴールドラッシュの時代には多くの人が夢を見ながら北へ向かった道でもあるので、車内の案内は歴史の話しが中心。 途中、バンフへ向かう列車とすれ違ったり、氷河の解け水が合流していたり、大規模な山火事ではげ山になってしまった斜面を通過しながら、今日はスナックを控えめにお酒を愉しみました。 

2:20 pm 
 ヘルズゲートを過ぎたあたりで、ランチのサーブ開始。 今日もまずはパンとサラダのサーブ。 ドレッシングはもちろんバルサミコ酢ソース。 サラダはまさかのまるまるトマトの輪切りとセロリ。 色つき野菜が苦手な私にとっては「・・・・」でしたが、ソースが美味しかったのでパンに挟んだりして野菜を隠し、「エイッ!」と食べることができました(イェイパ!!)

3:00 pm 
 今日のメインは、サーモンかビーフ。 サーモンはおしょうゆを持ってくれば良かった!とチョッピリ思ったけれど、どちらもとてもおいしかったです!


4:00 pm
 デザートは、ブラウニーのルバブソースがけ。 さらに到着まで飲み物とスナック責めが続くのですが、昨日を教訓にして今日は控えめにしておきました。

5:00 pm 
 終点バンクーバーに近づき、車内スタッフから最後の挨拶。 アンケート用紙が配られ、係員ひとりひとりと握手してお別れです。

<個人的感想>

 車内の案内はすべて英語なので苦手な人には理解するのが難しいかもしれませんが、英語圏以外の国から参加している人も多いので、わからないなりに客同士が教えあったりして自然とコミュニケーションが深まる様子は印象的でした。

 乗客全体の年齢層はかなり高く、時間的にも金銭的にもある程度余裕がありそうな人が多かったと思います。 バスや車であれば1日で移動してしまう距離を2日間かける時間の流れ。 ハイウェーからでは見ることができない独特の景色。 そして列車という空間の中で味わう贅沢な時間は、「高い!」と最初は思っていた値段に十分見合うものだったと思いました。 両親へプレゼントしたらきっと歓んでもらえそう。 いつか実現させたいと思った旅でした。